若いころは、友人達と夜通しファミリーレストランでお喋りをしたり、
思い立つままにドライブなどと、思い立ったら吉日のノリでした。
奥多摩、あるいは奥多摩を越えて、山梨に向かっていた頃かと思います。
深夜というか夜明け前というか、
まだ真っ暗闇の中をワンボックスカーで奥多摩湖沿いの道のトンネルを流してると、
数人の釣り人風の装備をした人達が、トンネルの端を歩いています。
歩道など特にないので、注意しながら運転していました。
趣味となると、皆早起きだよなと思っていると…
前方から、また、釣り竿を背負った人が歩いてきます。
通り過ぎてから、「えっ?」っと思い振り返りました。
ただ、その人は半透明で、薄ぼんやりと光っていたのです。
しかし、ミラーにも視界にも、そこに人はいませんでした。
特に怖いとかという感情はありませんでしたが、不思議な体験でした。
ちなみに後部座席に乗っていたのは、以前お話したキャンプの時のメンバーも一緒でした
※この文章は 『逢魔が時物語』に収録されたものです
数年前、一時オフロードバイクに乗っていたころ、オフロードを求めて秩父の林道を走っていたのですが、林道と言えども既にほとんどが舗装路で諦め気味にしかし軽快に流していました。
ある左カーブの突き当たりに2枚の岩が寄り添うように立っていたか、大きな岩盤に割れ目があったのか、大人がギリギリ入り込めるくらいの隙間があり、社の様に柵があり朱色の鳥居があったような気がしました。
「お、ちょっと拝んでいくか」と思ったのですが、降りてみると割れ目の入り口の岩の裾に人形が座った形で置いてあるんです。
ある程度くたびれた、よく2〜3歳の女の子が遊ぶような普通の女の子の人形です。
暗い岩の割れ目を祀る社に古ぼけた人形・・・。
秩父は霊場ですから、まあ何の気なしに鳥居をくぐると何かが祀られていてそこにさい銭でも置いて行こうと思ったんですがまるで人形が立ち入るのを阻んでいるような雰囲気なのです。脇に置いてあるのですが人形に触れずに蹴飛ばさずに行くのは確信が無いくらいの狭さです。
それに何と言っても中はどうなっているんだろう・・・
どんな社があるのだろうと覗いても見えないんですよ。
岩の影になった部分から先が全くといっていいほどの暗闇です。
暗黒なのです。普通なら1メートルくらいは見えてもいいのにそんな深くは思えない作りなのにです。とにかく入るのは止めておこうと思って立ち去りました。
あそこに入ったら何が在ったのでしょうか・・・いま思い出して文章を書いていても背筋がゾクゾクします
そういえば、先日のツーリングで万座の硫黄ガスが出ているあたりを流していましたところ、あるカーブで異様にバイクが引っぱられる感覚を覚えました。
大した腕ではないのですが、タイヤのグリップが無い感触もないしラインが膨らんでいるというより横に引っぱられるんです。
何だよこれともうちょっとバイクを倒しそのコーナーはクリアしました山道ですので急なカーブですし、左は急斜面でした。
※この文章は『逢魔が時物語』に収録されたものです
(2001.06)
私のホームページのコンテンツを削除したのでこちらに載せ直しました。
数年前、友人と3人でツーリングに行った時のことでした。
何となく海沿いに北上して日立から内陸に入り夕暮れの中で温泉に浸かり、うち1人は日程の都合で途中帰途につきました。
その後残る2人で寝床を求めて付近の地図を見ていたところ、I県S村というところに
「龍神湖」
という何とも神秘的な地名を見つけました。
その様なところならば睡眠をとることも出来るだろうと漠然と思いスロットルを開きました。山間らしい坂道が続きながら確実に龍神湖方面に近付きつつあった時、 T字路の正面にそれはありました。
コンクリート壁に5寸釘で貫かれた数体のワラ人形。
私は本物のワラ人形を眼にするのは初めてで、また5寸釘がこんなに長いものであるのを知ったのもこのときが最初でした。少ししてバイクを停めた機会に友人に聞きました。
「さっきの見たか?」
「何も聞くな、俺は何も見ていない!」
このセリフは、ちょっと気が小さく臆病な友人ならではなのですが、コンクリート壁に釘がそう易々と食い込むとは思いませんし、それも一体に数本刺さっていた物もありました。
藁人形に釘を打っている所を人に見られるとその呪いは本人にかかると言われます。
またそう離れていない距離には家並みもあったと思います 。
一体誰が、どんな気持ちで、ここまでして打ち込んだものなのでしょう?
人目につくと言う点から考えても戦慄が走りました。
たった一度バイクで通り過ぎた一瞬の景色でしたが未だ心に染みついています。
しかしながらその後、夜の龍神湖にたどり着き吊り橋や、ダムを眺めてその近くの人気の無い広場の片隅に寝袋を敷いたのが、 今となっては笑い話でしょうか。
※この文章は『逢魔が時物語』に収録されたものです
そうそう、最近は変な体験は無いとしゃべったばかりですが、昨日職場で残業しているときにそろそろ上がろうかと脂ぎった顔を流しで洗っていました。流しの戸の脇が鉄の外階段で下の方でガンガンガンガンガンと階段でうるさく足踏みするような音がしてうるさいな、誰か下にたむろって居るのかと思ったのですがとなりはスタンドなのでバイトの兄ちゃん達が車停めて雑談しているときもあるし気にしないで流しにかがんでいました。
その後、何かが階段を上がってきて悶えるほどの背筋のぞわぞわ感と何故かとっさに今顔を上げてはいけないという気持ち。
顔を上げたら向かいの壁にある鏡に見えてしまうという直感がしたので我慢してかがみ込んで、3、2、1!と数えて起き上がりました
今のは何だったんだろうと頭を整理すると強烈な気配が背後を通りすぎたんだなというのに改めて気がつきました。
なんだか嫌だなと思って、もうかえろうと時計を見ると 午前2時過ぎでした。
いやあ、この会社色々あるんですよね
以前先輩も テレビが勝手について(古いチャンネルガチャガチャ式のテレビでスイッチを引っぱってオンにするタイプ)消そうと思ったら手を触れていないのにスイッチが凹んでテレビが消えたとか・・・
扉が開いた音がするのに人が来ないとか、例の鉄階段をガンガンと登る音だけして誰も来ないとか・・・
なーんてね、考えてたら一人で深夜残業できません。
以前居たらしい、霊感のある人は3階には絶対登らなかったというしなんでも入社して3階に登って
「ごめんなさい、私3階は行けません」
というはなし。
もう、今年1杯くらいで新社屋に引っ越してしまいますが・・・
ってよく考えたら、向かいは川で裏はお寺で墓地なんですよね。
2001年夏。グループ展準備中のメールより


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